婚礼・結納などの桜湯とは?

赤いお盆に乗った桜湯© iStock.com/yumehana

塩漬けにした桜に湯を注ぎ、ふわっと花ひらいたところを飲む「桜湯」。とても趣のある飲みもので、婚礼や結納の儀で出されることもあります。湯の中で淡く咲く桜に、人生の門出を祝福されるというのも、なかなかに風流ではないでしょうか。
ここでは、桜湯の歴史や意味など、様々な情報をご紹介していきます。

桜湯とは

桜湯って?

桜湯とは、塩と梅酢で漬けられた桜に湯を注いだ飲みもので、婚礼や結納、見合いなどの祝いの席で飲まれます。
桜の花は満開前の八重桜を使っていて、注いだ湯は淡いピンクに色づき、ほのかな塩味と桜の香りが匂いたちます。

茶碗の中でパッと花ひらく桜を眺めつつ息がつけるという、なんとも味わい深い飲みものですよね。他には桜茶とも呼ばれているようです。

お祝いの席で出される理由

客人もてなす際の定番といえば「煎茶」ですが、お祝いの席では避けられていることをご存じですか?なぜなら、「お茶を濁す」「茶々を入れる」といったことを連想させるからなのです。さらに、弔事の際にも振舞われることで、縁起が悪いともされています。

だからこそ、一点の濁りもなく澄み切った桜湯が、お祝いの席で活躍することになりました。縁起も良く見た目も華やかということで、桜湯はおめでたい席での定番となりました。また、「よろこ(ん)ぶ」という意味合いで昆布茶が出されることもあるようですよ。

桜湯を和婚に取り入れるのもおすすめです!

桜の歴史

八重桜© iStock.com/G3

現代では花見といえば桜を連想しますが、奈良時代あたりまで人々は「梅」の花を愛でていたようです。桜湯という文化がいつごろ生まれたのか定かではありませんが、花見の花として桜が主流になったのは平安時代ごろからなので、もしかしたらかなりの昔から嗜まれていたのかもしれませんね。

桜が縁起物とされるのには様々な説があります。中には、田植えの季節の五月、稲の若苗である早苗、田植えをする女性を意味する早乙女の頭文字である「サ」が稲の神の名とされていて、その神が宿る神座(クラ)だから「サクラ」は縁起物とされた、なんて説もあるようですよ。

他にも、木の花を象徴する花之佐久夜毘売命(コノハナノサクヤヒメノミコト)から「サクヤ」を取り、それが訛って「サクラ」になったという説もあります。

人々の心を魅了し続ける桜。その魅力は、太古の昔から揺るぎのないものだったようですね。

桜湯の効能

桜には「クマリン」という成分が含まれ、これがあの品の良い香りを生み出しています。クマリンには様々な効能があり、抗菌作用や血液凝固作用、老化やむくみにも効果があります。平たい意味で「若返り効果」が期待できると言えるでしょう。ですが、摂りすぎは身体に毒ですので、ほどほどに留めておくよう気をつけなけばなりません。

彩りとりどりな桜湯

控え目ながら華やかさもある桜湯。その楽しみ方は無限大です。ここでは、その一部をご紹介していきます。

茶托と椀、そして桜の色合いが美しい

 
 
 
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空色の模様との調和が鮮やか

 
 
 
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趣向を変えて透明なカップに

 
 
 
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ホットカクテルのチェイサーにも

 
 
 
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結婚式に桜湯はいかがでしょうか

ふと目にするだけでなんとなく心が踊るような気持ちになる花、桜。その不思議な魅力は、はるか昔から人々を惹きつけて放しません。現代において「和」を感じる機会はずいぶんと減ってしまいましたが、桜の花が上品に香り立つ桜湯は、無くしかけていた「雅」という感覚を、そっと思い起こさせてくれるような気がします。

縁起も良く、目や心にも味わい深い桜湯を、ぜひ結婚式のウェルカムドリンクにいかがでしょう

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