会費制結婚式や1.5次会結婚式の受付の役割・流れ・名簿の工夫

会費制結婚式の受付と準備©Kimberly Hall – shutterstock.com

会費制結婚式や1.5次会結婚式での受付の役割や流れは、通常の結婚式と大きく違う部分があります。大きな違いは会費とご祝儀の取り扱いです。会費を管理する分、受付対応に少々時間がかかるため、正確に会費を管理しながらスムーズに進行を進めるため名簿にも工夫が必要です。受付の役割・流れ・注意点をまとめました。

会費制結婚式の受付の流れと10の役割

会費制結婚式の受付の役割を、流れ順に簡単に並べました。ご祝儀を頂き管理する通常の結婚式と大きく違っているのは、会費を現金で受け取り管理することです。会費制結婚式はゲスト数も多くなる傾向にあるため、通常の受付時間30分で受付を済ますにはスムーズな流れが大切です。準備する前に必ず確認しましょう。

(1)新郎新婦の代理としてゲストへ挨拶

新郎新婦と両家の代理として、受付に訪れたゲストにしっかり挨拶をします。
ゲストから「本日はおめでとうございます」とお祝いの挨拶を頂いたら、「ありがとうございます」と笑顔でハキハキと受けごたえしましょう。受付は結婚式の顔であり、最初のおもてなしですので、失礼のない対応と服装の身だしなみを心がけてください。

(2)ゲストの出欠を受付名簿でチェック

来訪ゲストのお名前をうかがい、名簿をチェックします。名簿は会費の集計もかねているので、分かりやすくはっきりとチェックしましょう。

(3)ゲストから会費を預かり管理

ゲストから会費を受け取ります。きちんとゲストの目の前で現金を数え、間違いのないようお釣りをお渡ししします。

(4)ゲストから会費とは別にいただいたご祝儀・プレゼントの管理

ゲストの中には会費以外にお祝いでご祝儀をお包みしたり、プレゼントを持参する方がいます。そういった場合は、丁重にお礼を言ってお預かりします。ご祝儀は絶対に会費と一緒にはせず別で管理します。後から新郎新婦が分かるよう、名簿の備考欄にいただいた状況を書きんでおきましょう。

(5)ゲストに芳名帳を記入してもらう

ゲストに芳名帳の記入をお願いします。(またはゲストカードを回収します。)
会費制結婚式では会費の取り扱いがあるため、受付が混み合うために芳名帳をなしにするケースも多いです。また、受付から場所を移し、芳名帳の代わりにウエディングツリーに捺印してもらったり、お祝い一言メッセージをいただいたりと別のイベントを企画することも多いようです。

(6)ゲストに配布物・お車代を渡す

席次表やエスコートカードがある場合は、ゲストにお渡しします。また、お車代の用意があるゲスト(備考欄に記入がある)には「〇〇様よりお預かりとております」と一言申し伝えた上で、お車代をお渡しします。渡し漏れがないようにしましょう。

(7)ゲストを会場または次の導線に促す

ウエディングツリー捺印・お祝いメッセージ記入やチェキ撮影のように、ゲストに協力してほしいことがある場合は、別に人員を配置してそちらにゲストを促します。
会場にウエルカムドリンクやアペタイザーの用意があるなら、そちらを案内します。

(8)簡単な会場案内・クロークの案内

お手洗い・化粧室・ドリンクの受け渡し場所・クロークの位置など、簡単な会場の説明ができるよう受付開始前に位置を確認し、会場スタッフから位置の説明の仕方をレクチャーしてもらいましょう。

(9)会費の集計確認と受け渡し

結婚パーティの開宴時間少し前に、ゲストがひと段落した合間を見計らって会費の集計をします。会費は金庫等の入れ物に入れ、お釣りと一緒に会場スタッフに渡して預かっていただきます。

(10)遅刻ゲストの対応

開宴時間に間に合わないゲストがいた場合は、受付に人員を1~2名残し、その他の受付係は役割を終えパーティに参加します。通常は会場スタッフが時間がきたら変わってくれることが多いようですが、会場によっては対応がないことも。事前に対応を決めておきましょう。

会費制結婚式の受付名簿の作り方

会費制結婚式の名簿は、ゲストの出欠確認はもちろんですが、いただいた会費を正確に管理することを重視して作成します。受付係が初めて会うゲストも多いので、受付が戸惑わないよう、新郎新婦は一目で分かりやすい、探しやすい、書きこみしやすい名簿を作る必要があります。

名簿作りで注意する点

新郎サイド、新婦サイドで分ける

受付名簿は新郎・新婦サイドで二種類作成します。万が一のために予備を含め2枚づつ用意しましょう。

あいうえお順にする

通常の結婚式の受付名簿だと親族・会社・友人など所属やグループ別になっている場合がありますが、会費制結婚式は限られた時間でスムーズに出欠を確認し、金銭も管理するために、あいうえお順がおすすめです。

必ず氏名にフリガナをふる

受付係は初めてお会いするゲストが多いため、必ず全員分お名前の読み仮名をふっておいてください。

氏名欄に予備欄を設ける

今回招待していない、または事前に欠席を伝えられていたため、名簿に名前のない方から、参加ゲストが代理で持参してお祝いや会費を頂くケースもかなり多いです。その方の氏名を把握するため、名簿の氏名欄には予備の空白を用意しておきましょう。

備考欄を2つ広めに作る

1つ目の備考欄はお車代の用意があるゲストや、お子さま用に別の会費設定がある場合、会費はすでにいただいているなどの事前に分かっている情報を記入しておきます。2つ目の備考欄は、参加ゲストが会費以外にご祝儀やプレゼントを結婚祝いとして持参するなどイレギュラーな出来事があった際、誰が何を持参してくれたかを把握できるように書きこみます。

会費制結婚式のチェックしやすい名簿例

会費制結婚式の名簿

会費制結婚式と受付の注意点

会費制結婚式の受付の注意点©mnimage – shutterstock.com

会費と釣銭(現金)の管理

持ち場を離れない

ご祝儀と違って会費は現金をむき出しで管理するため、取り扱いは特に厳重にしましょう。受付係は受付時間中に持ち場を絶対に離れないよう、お手洗いは事前に済ませておくなど心がけてください。

お金は必ずゲストの目の前で数える

ご祝儀と違い、会費は一律で金額が決められているため、数え間違いやお釣りの渡し間違いで簡単に金額が狂ってしまいますし、信用問題に大きくかかわります。会費受け取りの際には十分注意し、必ずゲストの前でお札を数えて確認しましょう。お釣りを渡す前も、ゲストの前でお釣りを数え、少しお釣りを広げて確認しやすいようにお渡ししましょう。

会費以外のゲストからのご祝儀・プレゼントの管理

会費以外でゲストから結婚祝いをいただいた場合は、丁重にお礼を申し上げ、会費とは別に管理することを徹底します。特にご祝儀を会費と一緒にしてはいけません。
いただいたことを、備考欄に必ず書きこみ、新郎新婦が後でチェックした際に伝わるようにしておきます。

会費制結婚式での芳名帳やゲストカード

会費制結婚式では会費の受け渡しで受付時間に少々時間がかかります。またゲスト数が多い場合などは、芳名帳やゲストカードをなしにするケースも多いようです。芳名帳をゲストに書いてもらう場合は、スムーズに受付が進むよう段取りや導線を工夫しましょう。

芳名帳・ゲストカードについて詳しくはこちら。

芳名帳は必要?ゲストカードの違いとそれぞれの使い方

イレギュラーな対応

ご祝儀袋に会費を入れてきた

会費をご祝儀袋に入れて持参するゲストは実はかなり多いケースです。その場でご祝儀袋をほどいて会費を確認するか、それが失礼と感じる場合は後で確認するか、必ず事前に対応を決めておきましょう。

招待ゲスト以外からご祝儀をいただいた

招待していないゲストから、お祝いや会費を言付かってくるゲストがいらっしゃいます。そういった場合は、予備欄に頂いた方の氏名と内容を書きこみ、集計の際に分かりやすくしておきましょう。

お子さまの会費

会費制結婚式では、未就学児以外のお子さまに大人より低めの会費が設定されているケースがあります。その際は、もらい間違いのないよう備考欄を必ず確認して頂いてくたざい。

会費制結婚式の受付で準備が必要なもの一覧

会費制結婚式の受付には、用意しておくべきものがいくつかあります。会場で用意してくれるものもありますが、新郎新婦が用意すべきものもあります。どこまで会場側が用意してくれるのかきちんと確認を取り、当日受付係が困らないよう心がけてください。

名簿

上の章を参考に新郎新婦が作成します。

筆記用具

チェックの黒とイレギュラー事項を書き込む赤、新郎新婦サイドで2本づつあるとよいでしょう。会場が貸してくれますが、筆記用具のデザインにこだわりがあり自分で用意する新郎新婦も多いです。

会費を入れる入れ物(金庫など)

いただいた会費を入れる入れ物と、お釣り用の入れ物を用意します。会場サイドで貸してくれるケースが多いのですが、まれに会場での用意がないこともありますので、必ず確認を。

お釣り

お釣りは参加人数の1/3が出ても困らない程度に用意します。基本は新郎新婦が用意します。

芳名帳

芳名帳やウエディングツリーなどがある場合は、新郎新婦が用意します。

配布物

席次表やエスコートカードなど。申し忘れがないようスタッフに確認を。

ご祝儀・プレゼントをお預かりするスペース

万が一結婚祝いを頂いた場合を想定し、別で管理するためのスペースや管理方法は考えて受付係に伝えておきましょう。

お車代

遠方から来てくれたゲストのお車代は受付でお渡しします。

会費制結婚式の受付人数と依頼方法

受付の人数

基本の人数

基本は新郎・新婦サイドで2人ずつ、計4人の人員が必要です。ゲスト数が80名を超える場合は、流れや段取りによっては受付をスムーズにするためにもう1人ずつ増やす必要が出てくる場合もありますので、新郎新婦が会場担当者と事前に相談して決めてください。

受付でゲストにお願いがある場合

ウエディングツリーへの捺印やゲストに一言メッセージを頂くなど、協力してほしいことがある場合は、受付以外に別のブースを設け、専任の担当者を依頼しましょう。

受付係の集合時間

結婚式が開宴する30分~1時間前には集合してもらい、手順や役割など新郎新婦の代わりに会場担当者から説明してもらいます。担当者からの申し忘れがないよう、事前打ち合わせの際に新郎新婦からも確認を取ってください。

受付依頼の仕方とお礼

結婚式の3カ月前、招待状発送前に依頼

基本は結婚式の3カ月前、招待状発送前に依頼します。どんなに遅くても結婚式1カ月前にはお願いしましょう。
心から信頼のおける友人や親しい人で、当日早めに集まる時間の余裕がある人にお願いします。どんなに親しくても、遠方からのゲストやお子さまがいる方、妊娠中の方などへのお願いは控えましょう。また、スピーチなど別のお願いをしている人に複数依頼するのは控えましょう。

受付を引き受けてくれた人へのお礼

一般的なお礼の相場は3000~5000円と言われています。会費制結婚式の場合は、現金ではなく何かプレゼントをする場合も多いようです。

会費制結婚式・1.5次会結婚式の受付のまとめ

会費制結婚式や1.5次会結婚式などで、会費をゲストからいただく結婚式の受付の役割は、通常の結婚式とは役割・流れ・注意点が違います。何度か受付を経験している人でも、会費制結婚式は初めて、という場合が多いのです。受付係がスムーズに進められるよう、新郎新婦は配慮と事前準備が必要です。

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