結婚式の料理メニューで使いたい!縁起がいい食べ物の由来と意味

結婚式料理の縁起の良いの食べ物© Golubovy- shutterstock.com

人生最良のお祝い事である結婚式は、昔から名前や由来に幸せや繁栄を願う意味をもつ「縁起物」を多く取り入れて披露宴を行ってきました。その習慣は現在も受け継がれています。結婚式の料理は縁起のいい食材・食べ物を使ってメニューが考えられており、1つ1つの縁起の意味を知ることで、料理をより楽しむことが出来ます。

結婚式の料理メニューに取り入れたい「縁起物」とは

結婚式料理メニューに取り入れたい縁起物©Luca Santilli – shutterstock.com

縁起物とは

縁起物とはその名称や由来から、持っていたり取り入れたりすると「災いを払う」「幸運を呼ぶ」とされる物のこと。お祝いごとやおめでたい席で、これから幸先のいい未来を祈願して取り入れられます。結婚式では招待ゲストへ感謝の気持として用意する引き出物の中に、ゲストの幸運を願って「縁起物」(鰹節や梅干しなどの食べ物)を添えて渡します。
また、和食を中心に、結婚式の料理の献立に縁起のいい食材を使ったメニューを盛り込んで、ゲストを心からおもてなしする場合がほんどです。

結婚式で縁起の良い食べ物

結婚式の料理に使う縁起のいい食材や食べ物は、主に日本の縁起に由来するものが多いため和食メニューに使われる食材がほとんどですが、中国や西欧の縁起のいい食材を使用することもあります。また、日本の食材でフランス料理やイタリアンなどに使って結婚式用に縁起のいいメニューにしたり、和洋折衷料理のコースメニューの中に取り入れることも可能です。

結婚式で縁起のいいお菓子

日本で縁起のいいお菓子といえば金平糖や大福、紅白饅頭が挙げられますが、最近では西洋で結婚式やお祝いに縁起がいいとされるお菓子を食後のデザートやスイーツビュッフェ、引き菓子で振舞うことが多くなってきました。

結婚式の料理に使われる縁起の良い食べ物と由来・意味

結婚式料理の縁起のいい食べ物の由来と意味
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縁起の良い魚類

鯛 タイ

「めでたい」の語呂合わせで、結婚式の料理には定番で使われるのが鯛(真鯛)です。和食だけでなくフレンチ・中華の食材としても使われ、幅広くメニューがあります。鯛の赤色は神様が好む色、邪気を払う色とされていて、古来から神前に供えられてきました。鯛は尾と頭がついた「尾頭付き」は見た目が豪華で縁起が良いとされ、お造りや焼き物で出されることが多いです。

出世魚

ブリ、スズキ、イワシ、小肌など
成長するにつれ名前が変わることから、先々の繁栄、出世を願う意味があります。富山県では結婚したお嫁さんの実家から嫁ぎ先へブリを贈り、嫁ぎ先がその半分をお嫁さんの実家に返すという風習があります。お造り・煮物・照り焼き・しゃぶしゃぶなどで幅広く使われます。

鰹 カツオ

当て字で勝男と書き、男性が強くたくましく育つようにという願いを込められていますし、結納や引き出物内の縁起物として選ばれます。料理ではカツオは叩きで出されることが多いのですが、高知県ではメインの大皿料理として提供されます。

縁起の良い甲殻類・魚卵

海老 エビ

海老は漢字で「海の老人」と書き、長く伸びたひげと腰が曲がって丸くなった姿から、「腰が曲がるまで長寿を願う」という意味が込められています。また茹でると鮮やかな赤色になりますが、赤色には、邪気を祓う魔除けの力があるといわれていますし,殻が鎧かぶとのように見えるため、力強さの象徴でもある、非常に縁起のいい食べ物です。鮮やかな赤の発色で美しい彩のある料理になるため、和洋さまざまな料理で、頭つき・殻付きのまま提供されます。

昆布 コンブ

「よろこぶ(喜ぶ)」の語呂合わせの意味があり、成長が早く繁殖力があることから、繁栄の象徴としてお祝い事やおめでたい席にに欠かせない食材です。また、昆布は「ひろめ(広布)」「えびすめ」とも呼ばれ「福を広める」「エビス(七福神)」など、たくさんの縁起のいい意味の語呂合わせがあります。料理では出汁、昆布巻き、細切りにしてサラダ、お茶などに使われます。

タコ

たこ=多幸の語呂合わせで縁起がいいとされています。お造りやサラダなどで提供されます。

数の子・子持ちこんぶ

数の子はニシンの卵です。ニシンの卵巣には数万の卵があることから、「数の多い子=子孫繁栄」を願ってお祝いやおめでたい席の料理に多く使われます。
子持ちこんぶは昆布に産み付けられたニシンの卵(数の子)で、縁起のいい昆布に数の子がついたものです。現在では自然に卵を産み付けたものはなかなか市場にはないため、人工的に卵をつけて昆布を挟んだものが多くみられます。

イクラ

いくらは数が多いため、子孫繁栄を願うの意味があります。鮮やかな朱色で料理の彩りを整えるため、おめでたい紅白の赤を彩る役割として使われます。

縁起の良い貝類

鮑 アワビ

アワビの身を薄くそいで伸ばし、乾燥させた熨斗鮑(のしあわび)は古来より吉事の贈り物として使われていました。薄く長く伸びるため、末永く発展する意味があり、現在お祝い事やおめでたい席で使うのし紙やのし袋で、その名残が受け継がれています。
アワビは高級食材なので、結婚式ではメインの料理で取り入れられ、バター焼きやソースをかけて和洋中のさまざまな料理方法があり、ゲストに喜ばれます。

蛤 ハマグリ

蛤の2枚の殻は隙間なくぴったり重なり、対になっているもの以外は絶対に合わないところから、夫婦円満の縁起物として結婚式だけでなく、ひな祭りやお祝いの席でよく使われます。仲の良い夫婦の象徴として、また一生を1人の人と添い遂げる願いを込めて、古来から結納・結婚式の膳でお吸い物などで取り入れられます。

バイ貝

バイ貝「しあわせが倍(バイ)になりますように」という意味が込められています。煮つけや刺身でいただきます。

縁起の良い穀類や練り物

米 赤飯

赤色には邪を払い災いを避け、幸福を呼ぶ色とされており、古来から赤い色のお米を神前に供える風習がありました。現在の赤飯はもち米に小豆などを入れて赤く染めて炊いたもので、お祝いの席にぴったりです。

麺類

麺類、特に結婚式で出される代表的な「うどん」は、夫婦・親族・ゲストらと長く太く濃いお付き合いになるようにという意味が込められます。結婚式の会席コースでお凌ぎとして先付の後に出されることが多いです。

紅白かまぼこ

半円の形が日の出に似ているので、新年の正月料理に必ず使われる縁起物です。さらに、紅は魔よけ、白は浄化という意味が込められています。結婚式では紅白の彩りと飾り包丁を入れて美しく見せられるため、食材として使用されます。

縁起の良い野菜

蓮根 レンコン

「穴が沢山開いている=見通しが良い」「良い未来を見通せる」という意味で、縁起が良いとされる食材です。煮物や焼き物の付け合わせとして使われます。

「マメに生きる」「まめまめしく働ける」という意味で、健康に過ごせるようにと縁起を担いだ食材です。マメ(魔を滅する)ことから、厄除けの効果も。結婚式などの慶事には黒豆など色の暗い豆は使いません。小豆は赤飯の色付けとして、また料理の彩りとして枝豆などが使われます。

筍 タケノコ

筍は成長が早く真っすぐに伸びるので、「真っすぐスクスク育つように」という願いが込められています。結婚式の料理では煮物や焼き物で使われます。

牛蒡 ゴボウなど根菜類全般

細く長く地中に埋まっている牛蒡は「長寿」を意味します。その他の根菜類は、地に根を張って力強く育つため、根性がつく、継続する、安定や繁栄などの意味を持ちます。

縁起の良い肉類

七面鳥

海外ではお祝いの席の定番料理である七面鳥(ターキー)は、神とすべての人に感謝をささげる意味があります。近年では日本の結婚式の料理メニューとして、メイン料理やビュッフェで取り入れられるケースが増えてきました。

日本の結婚式ではコース料理のメインは牛が多いのですが、実は海外の多くの地域が豚を「縁起のいい食べ物」としています。中国でのお祝い事には、子豚の丸焼きが欠かせません。日本でもブランド豚をコース料理のメインメニューにしたり、ビュッフェで取り入れたりできます。

縁起の良い果物

中国では桃を食べると不老長寿の力を得られるといわれています。そこから日本でも神話や健康・長生きの象徴に。デザートだけでなく、前菜料理として取り入れることができます。

ぶどう

ぶどうはツルが伸びて育っていく果物です。ツルが他のものに巻きつき絡みついて実を結ぶ、というところから「夫婦円満」「商売繁盛」を叶えてくれるといわれます。

柑橘類

1つの木からたくさんの実がなる柑橘類は、古来から日本で縁起のいい果物として重宝されてきました。
いよかん・・・良い予感の語呂と意味があります。
きんかん・・・金色の実を付ける金柑は大願成就や幸運をもたらすと言われています。
すだち・・・「すだち」は「巣立ち」につながるので人生の門出に縁起のよい食べ物です。

戦国時代は皮をむいた栗を“かち栗”と呼び「かち」と「勝ち」をかけ、勝利祈願を願う果物としての縁起があります。ほかにも豊作を祝う時に食べられたり、保存食として重宝されたという歴史が。縄文時代から栽培されていたとされている、歴史のある果物です。秋にはケーキやスイーツの材料に使われます。

ザクロ

西洋では子宝、財、愛情、夫婦円満などのモチーフとして使われてきたザクロ。結婚式にはぴったりのフルーツです。

結婚式で縁起の良いスィーツと由来・意味

結婚式で縁起のよいスィーツの由来と意味©Kachergina – shutterstock.com

クロカンブッシュ

小さなシュークリームを高く積み上げ、飴やカラメルで固めた、フランスでは一般的なウエディングケーキです。クロカンブッシュとはフランス語で「ごつごつした木」という意味です。一方シュークリームの「シュー」は「キャベツ」を意味し、欧米ではキャベツ畑から赤ちゃんが生まれてくるという伝承があり、子宝に恵まれるという縁起物です。

シュガーケーキ

シュガーケーキはドライフルーツをたっぷり使った3段のケーキの周囲を、シュガーペーストで固くコーティングしたイギリスの伝統的なウエディングケーキです。固く丈夫なため、さまざまな装飾が施せますし、日持ちするのでゲストへのお土産として振舞われます。
イギリスでは「幸せ」を象徴する食べ物がケーキとされ、そのケーキを全員で分け合うことで幸せを分け合うという意味が込められています。一段目は当日ゲストと一緒に食べ、二段目は出席できなかったゲストにおすそ分けし、三段目は結婚記念日や赤ちゃんの洗礼式までとっておくという意味があります。

ドラジェ

アーモンドを砂糖でコーティングしたお菓子のこと。アーモンドは1本の木からたくさん収穫できることから、西欧で子孫繁栄のシンボルとしてお祝いに多く使われています。イタリアの結婚式では、「幸福・富・子孫繁栄・長寿・健康」をイメージして5粒のドラジェをラッピングして贈る習慣があり、フランスではお子様が生まれたときのお祝いにドラジェを贈ったりと、様々なお祝い事に使われています。

バームクーヘン

日本ではおめでたいお菓子として、結婚式の引き出物やお祝いごとに使われることが多いバームクーヘン。バームクーヘンの断面の模様が木の年輪のように見え、「繁栄」や「長寿」、「幸せ重ねる」など縁起の良い言葉を連想させるため、結婚式や出産など慶事の贈り物として人気です。バームクーヘン発祥の地ドイツでも、19世紀から現在まで結婚式やお祝いの贈り物として選ばれており、縁起のいいお菓子です。

結婚式で縁起のいい飲み物と由来・意味

紅茶

結婚式では縁起のいい色の「赤」であること、また中国では昔は不老長寿の薬として上流階級での飲み物であったことから、長寿につながる縁起物としての意味があります。

お茶

緑茶は法事や葬儀の引出物で使われるため、結婚式では縁起が悪いとして、一派的な結婚式では
桜茶(さくらちゃ)
昆布茶
が縁起がいいお茶として結納や顔合わせや結婚式などの婚礼の席の飲み物として選ばれます。

シャンパン

ヨーロッパではお祝いの幸運の縁起物として、乾杯酒に必ず使われるシャンパン。シャンパンはグラスに注ぐと絶え間なく泡が立つことから「絶え間ない幸せ」を、泡がはじける音がパチパチと拍手のように聞こえることから「祝福」を意味します。カラーが上品で繊細なゴールドで、お祝いの席にはぴったりのお酒です。

結婚式の料理メニューに取り入れたい縁起のいい食べ物まとめ

人生でもっともおめでたいお祝い事である結婚式では、昔から言葉や由来に幸せや繁栄を願う意味のある「縁起物」を多く取り入れて披露宴を行ってきました。その習慣は今も受け継がれています。結婚式の料理には、会場側やシェフがこれらの縁起のいい食材・食べ物を使って、メニューほ考えてくれています。素材の1つ1つの縁起の意味を知っていれば、料理をより深く楽しむことが出来ますし、ゲストに喜んでもらうオリジナルメニューを考えるきかっけにもなりますよ。

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