人前式とはどんな挙式スタイル?結婚式で知りたい流れと演出

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結婚式での挙式スタイルの1つ「人前式」を検討しているお二人へ。神に誓う挙式と違い、新郎新婦が自由に内容・流れ・演出を決める魅力的なスタイルです。自由で二人の個性を発揮できる魅力が多い反面、自由すぎて迷ってしまい、流れが決められないカップルも。人前式とは何か知りたい方のため、流れ・内容・ならではの演出をまとめました。

結婚式の挙式タイプの1つ「人前式」とは

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人前式とは、神ではなく人に誓う結婚式のセレモニーのこと。列席者全員の前で、新郎新婦が結婚を自ら宣言して誓いを立て、ゲストによって承認してもらうという挙式スタイルです。
現在の日本で、結婚を誓い認めてもらう儀式である「挙式」は、大きく分けて3つ。「神前式」「チャペル挙式」「人前式」から選ばれます。
前の2つは神様に誓い神様に認めてもらうのですが、人前式は会場にいるゲストに対して結婚を誓い、承認してもらうのです。
人前式はゲストがただ参列し見ているだけでなく、全員が挙式に参加している意識が生まれ、新郎新婦と一体感を感じることができる挙式スタイルといえます。

人前式・神前式・チャペル式の違い

神前式とチャペル挙式

専用の神殿設備と神に仕える人がそろった上で、作法・マナー・儀式はその宗教の教義に沿って進行します。装飾や演出も、宗教・宗派の作法にのっとった形で行われます。

人前式

これといった決まりや形式はなく、新郎新婦のテーマに沿って自由に構成されます。結婚の宣言とゲストによる承認があれば、流れも演出も新郎新婦次第です。基本の流れはありますが、それに縛られなくても大丈夫です。

人前式を構成する流れと人気の演出例

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人前式は新郎新婦のテーマとイメージによって自由に進行プログラムと流れを組むことができます。ただ限りがあるパーティ時間の中で、「挙式」としてゲストに分かりやすく、進行しやすい要素と流れがあります。
人前式の流れと重要な要素を、進行順に追ってご紹介します。

新郎新婦入場

新郎新婦一緒に入場したり、別々に入場したり、親族と一緒に入場したり、ゲストがサプライズを仕込んだり…と入場スタイルはさまざまです。

司会者と立会人

人前式の進行を仕切る司会者と、結婚を承認するための立会人が必要です。

司会者

人前式の進行役です。通常は結婚式の司会者がそのまま行います。司会を立てずに、または司会からいったん進行を譲り受け、新郎新婦が自ら司会進行をするケースもあります。

立会人

二人の結婚の宣言を見届け、承認をする人のこと。ゲスト全員が立会人ですが、特に関係が深い人(親族・友人・お世話になった人など)に新郎新婦が依頼して、ゲスト代表として立会人代表になってもらう演出もあります。その場合の立会人代表は、人前式の進行を手伝ったり、誓いの言葉を先導する役目を担うことがあります。

誓いの言葉

神ではなく参列しているゲストに、結婚を誓います。結婚に際し、二人がお互いに誓うことを考えて宣言するのが一般的です。それ以外に、ゲスト代表の立会人がチャペル式における神父のように新郎新婦に誓ってほしいことを投げかけ、それに二人アンサーする形式も人気です。

結婚指輪の交換

結婚指輪の交換をします。リングボーイ・ガールの演出や、サプライズ再プロポーズ・ゲスト全員で指輪を運ぶリングリレーなど楽しく自由な演出があります。

誓いのキス

新郎新婦で誓いのキスを行いますが、いろいろな理由で省かれるケースも現在は多いようです。ゲスト全員で新郎新婦を囲んでのキスや、パパママ婚ではお子さんを挟んでのキスの演出なども。

結婚証明書にサイン

結婚証明書とは、二人が結婚したことを証明する書面です。紙だけでなく、ウエディングボードやウエディングツリーなど、形もアイデアもさまざま。サインの方法も、新郎新婦がサインする形・ゲスト全員に式中や事前に協力してもらい承認サインしてもらう形など演出が多様です。

結婚宣言と承認

結婚が成立したことを司会または立会人が宣言し、ゲストから承認の拍手をもらいます。全員がペンライトを振ったり、キャンドルリレーをしたりと、ここでも演出が可能です。

新郎新婦挨拶

新郎新婦が人前式をしめる挨拶をします。新郎新婦別々・新郎のみ・新郎新婦一緒に…などいろいろです。1.5次会のようにそのまま同じ会場で披露パーティに移行する場合は、パーティ開始の挨拶を兼ねることもあります。

閉会の言葉・退場

司会・立会人が閉会の言葉を述べ、ゲストに立会のお礼を述べて、人前式が終了します。新郎新婦がいったん退場する場合は、フラワーシャワーなどの演出ができます。

人前式のメリットとは

場所・会場・宗教を選ばない

人前式の強みはチャペル挙式・神前式と違って、立会人のゲストがいれば基本はどこでも開催が可能なところ。屋外ガーデンやレストランなど、神殿設備がない場所でも「会場内人前式」で挙式が計画できます。格式にこだわる場合はホテルや専門式場などでは、チャペルを利用したり、別会場を用意して壇上を作り、フォーマルで改まった人前式を挙げる選択も。
宗教を選ばないため、宗教上の問題で神前式・チャペル挙式を選べない人が人前式を選ぶこともできます。

演出・構成は自由自在

人前式に決まった流れや制約がないため、新郎新婦の希望する演出が可能です。ゲスト参加型や笑いのあるユニークな誓いなど、新郎新婦が大切にしたい個性的なテーマを発揮することができます。
神前式・人前式は挙式時間が30分~1時間ほどかかるので、独立した儀式として計画することがほとんどですが、人前式はイベント要素を組み込んでも10~20分の挙式時間に短縮できるため、2~3時間の結婚披露パーティの中でプログラムに入れることができるのです。

ゲストとの一体感

神前式・チャペル挙式では神に結婚を誓う新郎新婦をゲストは見守るだけですが、人前式では結婚の立会人として1人1人の参加が可能です。そのため、会場に一体感やアットホームなムードが生まれやすく、結婚式を盛り上げるイベントとしても効果的です。

コスト面での安さ

チャペル挙式・神前式と違って、専門の人を呼んだり別会場を借りる必要がないため、3~10万のコストダウンが可能です。宴内人前式であれば、結婚証明書作成と演出装飾面での費用・立会人・司会へのお礼のみ、といったところでしょう。

人前式のデメリットとは

自由過ぎて最後まで進行・演出が決まらない

人前式の式次第(プログラム)は、新郎新婦が自分たちで決めるため、カップルによっては何をやっていいか分からない…ということがあります。結婚を誓う「誓いの言葉」の内容や、演出面も自分たちで考えないといけないからです。
コスト面やイメージでなんとなく人前式に決めて、特に演出面やテーマにこだわりがないカップルだと、最後まで人前式の内容も流れも演出も決まらず、ウエディングプランナーに丸投げした…というケースもよく聞きます。

時間配分が読みづらい

式次第の内容によっては、演出面で凝りすぎてしまい30分以上かかる場合もあれば、結婚証明書を読み上げる形式的なもので、10分かからずあっさり終わってしまうことも。
段取りに手間取ると、次のプログラムにも影響が出てしまうこともあるので、凝った演出を計画する際はプランナーと段取りをシュミレーションしましょう。

両親・年配の方の理解度が低い

神前式・チャペル挙式に比べると、人前式はどうしてもカジュアル感が出てしまうため、年配の方や親族の理解が得られづらいという面もあります。親族や年配の方をゲストに招待しての人前式を企画するときは、両親に承諾を得てからのほうがいいでしょう。
ゲストからの要望でフォーマル感を出したい場合は、ホテルや結婚式場で別会場を用意してフォーマル感を出すことも可能です。宴内人前式なら、演出面や司会進行を工夫する必要があります。

結婚式での人前式の流れと演出のまとめ

人前式とは結婚式の挙式スタイルで、神ではなくゲストに立会人になってもらい、結婚を承認してもらう儀式です。演出・流れ・内容は新郎新婦で自由に決められるため、個性的な演出を企画することができます。調べたり内容を考える時間はかかりますが、ゲストと結婚式を一緒に作り上げる一体感で盛り上がることができます。人前式の流れと演出面を理解して、お二人だけの素敵な挙式スタイルを実現してくださいね。